鉄サビエイジング加工の経年変化と使用上の注意点

鉄サビ:経年変化と使用上の注意点

「鉄サビ」とは...

当店独自の製法により
新しい雰囲気の杉材を古材っぽく
エイジング加工したものを言います。
一般的な着色とは異なり
表面の色を変化させているため
透明感のある仕上がりになります。

経年変化について

杉材に限らず無垢の木材は、紫外線等の影響により時間と共にその色味が変化していきます。個体差はありますが、杉材は室内では徐々に黄色味がかっていく傾向があります。
鉄サビエイジングを施した杉材も施工直後はグレイッシュな印象ですが、日当たりによって経年変化が進み、より自然な古材に近い深みのある色へと変化していきます。環境やメンテナンス方法によって表情は変わってきますので、無垢材の特徴としてご理解頂き一つの色では表現できない豊かな色味の変化をお楽しみ頂ければ幸いです。


施工直後と数年経過後の比較

  • 【施工直後】仕上げ:無塗装
  • →【約6年後】
  • 【施工直後】仕上げ:無塗装
  • →【約3年後】
  • 【施工直後】仕上げ:無塗装
  • →【約1年後】



環境による経年変化の違い

使用場所の環境(特に日当たり)により経年変化に違いがでます。下記の写真はいずれも施工後3年が経過した物です。比較として、新品の鉄サビ素材を重ねて置いています。
日当たりの良い場所は色の変化が大きい事が分かります。


  • 【日当たりのいい床】
  • 【日の当たらない壁】

色抜けについて

「鉄サビ」は特性として、酸性の物に弱い傾向があり、レモンやワインなどをこぼすと、濡れた部分がすっぽりと色抜けしてしまう事があります。

すぐに拭き取った場合でも色抜けは起こりますので、テーブルなど濡れたり汚れやすい場所でご利用になる場合は、直接木材に汚れが付かないように塗装することが必要です。


塗装について

色抜け・汚れを防ぐには、塗膜を造るタイプの塗装がおすすめです。ウレタンニス(クリア)を2度塗りした場合とブライワックス(クリア)を塗布した物にレモン汁を垂らして拭いた試験を行いました。

ブライワックスは若干の色ムラが起こりはしましたが、色抜けは防ぐことが出来ました。
ウレタンニスについては、塗膜がレモン汁を弾くので変化はありませんでした。
ただし、長く放置すると成分が染み込む可能性があるため、いずれにしても直ぐに拭き取ることが大切です。


テーブルなど濡れたり汚れる可能性がある場所でご利用になる場合は、ウレタンニスや木部用ワックスを塗布してからのご利用をおすすめします。

タッチアップ(補修)ついて

「鉄サビ」は当店独自の製法で変色させているため、部分的な補修が難しくなっております。そのため、タッチアップやメンテナンス用の塗料を販売しておりません
万が一、色抜けが起こった場合は、一時的にワックスなどの着色で目立ちにくくする事は出来ますが、経年変化により補修部分と差が出てきます。

経年変化後に鉄サビ部分は自然な無垢材の風合い・色合いに変化していますが、補修(着色)部分は塗料のグレー色が残った状態になりました。


部分的なタッチアップであれば、一時的に目立ちにくくする事は可能ですが、経年変化した場合、上記試験の様に色味に差が出てきます。そのため、広い面への補修となるとあまり現実的ではありません。
まずは、色抜けが起こらないようにする事が一番の対策です。
また、補修とは異なりますが、濃いめの塗料を上から塗り、ガラッと雰囲気を変えてしまうのも、また違った楽しみ方が出来ると思います。


以上、「鉄サビ」商品ご検討の参考になれば幸いです。