vol.4 「木が腐る」ことへの対策について --- その2
さて、それでは、その1の続きです。
前回は、腐りにくい木について語ってしまいましたが、今回はポイントその2の「濡れてもすぐ乾くようにすること」についてです。

え、何の話かって、木が腐ることへの対策ですが・・・。
もし、初めて読む人はバックナンバーをチェックしてくださいね。

木は、じめじめした環境に非常に弱い。
分かりやすく言えば、ナメクジの好む環境を最も嫌います。
ナメクジの居るところを想像してみてください。(想像しただけで、気持ち悪―い!)そう、暗く、風通しの悪いところです。
庭に置いてあるレンガの下とか・・・。

ということで、濡れてもすぐに乾くようにするポイントの1は、「風通し」です。

住宅の基礎部分に、床下換気口があるのはご存知だと思いますが、 これは、床下の空気を入れ替えて、こもった湿気を抜き、土台部分を腐れから守るためのもの。

実際、こんなケースがありました。
「デッキが腐って3年でデッキの床が抜けたので修理してほしい」と電話がありました。
そのデッキは、ホームセンターで購入した2×4住宅用の「SPF」のランバー。
(SPFについては前々回で詳述したので省略します)
それをご主人が自分で施工されたものでした。
床は腐って抜けているし、それを支える根太も腐ってきのこが生えてる。
金槌で叩くとぼろぼろに崩れる。それはもうひどい状態でした。
そのデッキの間違いはどこにあったのか?
その1 デッキを「SPF」で作ったこと。
その2 床をぴったりくっつけて施工していたこと。(床の隙間がない)
その3 デッキの側面を、猫の侵入を防ぐため、板で囲っていたこと
の3点でした。

その2と、その3がデッキ下の「風通し」を無くし、湿気をこもらせ、
腐りやすい材料の腐朽をさらに促進させた、というのが実態でしょう。

デッキの下に風が入るための最大の入り口はデッキ側面です。
よく見かけるデッキに、デッキ側面を、床下が見えないほどぴったりに板を張って隠したものがあります。たしかに、見た目はきれいですが、木に とってはよくありません。同様に、ブロックぴったりにデッキを施工した、床下に風が入らない状態も問題です。

床の隙間も然り。床下に入った風も、抜けるところがないと滞って、効率的な換気ができません。
結局、そのお宅は、デッキの修理では納まらず、全面的にデッキを作り直すことになりました。

そのお宅の後日談。
デッキを施工して数ヶ月たったある日のこと。電話がありました。
「洗面所の床がふかふかするので床を張り替えたいのですができますか?」

うちはエクステリア専門なのでお断りしましたが、洗面所の床を腐らした原因のひとつはデッキにあったと考えています。
デッキの下がジメジメしているということは、そこに空いている「床下換気口」から「ジメジメ」した空気が住宅の床下まで侵入してくる。
結果的に住宅そのものまで蝕むということです。

前にも紹介しましたが、腐っていたデッキはこちら
そのお宅の施工例はこちら

デッキの上にプランターを直に置いても大丈夫でしょうか?という質問が時々あります。
答えはもちろん「NO」です。
プランターとデッキの間にナメクジがいそうですよね。

ほんの1センチでも隙間があるだけでもかなり違います。
園芸店にいくと、鉢の下にはさむくさび型のものがありますが、それを利用するだけでも効果的。

さて、長くなってきたので、この続きは次回に持ち越し。
次回もさらに頑張ってのたまうことにいたしましょう。
ここまで読んでいただいて感謝。