木について


▼ 木という素材について
▼ 木材の割れ・反り
▼ 木材の腐朽
▼ 素材の選択
▼ 知っていて欲しい、木のミニ知識
▼ 番外編 「木」 について、店長くり坊 おおいに語る。


 木という素材について
素材について知ることは、何よりも大切です。
WOODPROのウッドエクステリアに使用している素材は2種類。
米杉(ウエスタンレッドシダー)と国産杉(飫肥杉・おびすぎ)。


◆樹種について、詳しく知りたい方はこちら >>



 ▼ 木材の割れ・反り
木は周囲の環境に合わせて、水分の吸収と放出を繰り返しており、それに伴って材料そのものが伸縮しています。
温度差、湿度差の激しい屋外においてはその振幅も激しく、結果として木材の割れや反りといった形で現地の環境になじんできます。
ある程度の割れや反りは木材の宿命的欠点として発生します。



 ▼ 木材の腐朽
木材の腐朽には三つの要素があります。「湿度」「温度」「空気」の三つですが、このうち「温度」「空気」のコントロールは困難ですので、「湿度」のコントロールによって腐朽を防止、遅延させるのが一般的です。
ウッドエクステリアにおいては、湿気をこもらせない配慮が必要になります。デッキの床の隙間や、幕板の下の空間も通風確保の効果があります。



▼ 素材の選択
木材にはそれぞれ特徴があり、腐りにくさも木によって大きな違いがあります。海の中でも何十年も腐らない、という木材もあれば、1年あまりで腐ってしまうものもあります。
素材の選択はウッドエクステリアの計画にとって一番大事な要素です。

◆高耐久木材・ハードウッドについて
イペ・ジャラ・アイアンウッド(ウリン)といった木材は、のこぎりで切ることさえ困難なほど硬く、さらに非常に腐りにくいということで、港湾施設や公共エリアに使われてきました。
近年では一般住宅においても使用されるケースが増えています。
屋外に使用する素材としては非常に優れた材料ですが、そのほとんどはジャングルに植生し、再生が困難であるため、環境的な観点からは問題の多い素材でもあります。


◆樹脂系素材について
近年アルミメーカーが力を入れている「木粉入り樹脂」については、腐らない・割れない・メンテナンス不要をうたい文句に市場にも浸透しつつあります。手間を掛けたくないというエンドユーザーのニーズと、規格化・均質化を図りたいというメーカー希望が合致しており、価格の問題はあるものの今後もある程度増えてくると考えられます。
ただし、いかに木の粉を混ぜて、木目をつけても「ウッド」とよべるかどうかは疑問です。


◆防虫防腐剤強制加圧注入材について
木材の耐朽性を高めるため、木材に圧力を加えて強制的に防腐剤を注入した材料です。
現在は規制も厳しくなり、薬剤の安全性く、危険はありません。加圧といっても中まで完全に注入されているわけではないので、加工度の高い商品には適しません。




 知っていて欲しい、木のミニ知識
※内装の場合にはほぼ例外なく、きれいに仕上がりやすい「木表」を表にして使います。
エクステリア材の場合は反りによって水が溜まりやすくなることから「木裏」を表に使う場合もありますが、WOOD PROの商品は、木裏は木目が起き上がりやすいため、屋外においても木表を表に使うようにしています。



 番外編 「木」 について、店長くり坊 おおいに語る。
木は完成度90パーセント
木というのは極めて完成度の高い「素材」なんです。
枝を切れば「杖」になる。
切ってのこぎりで「製材」すれば、それだけで家の材料にもなる。
カンナをかければ、床板にも、まな板にもなる。
さらに組み合わせれば椅子などの家具にもなる。
昔は伐採も製材も「人力」でしたが、最近はさすがにチェーンソーだったり、電動の機械だったりするものの、使うエネルギーは圧倒的に少ない。
大自然が90パーセント作り上げた素材を、人間が最後に仕上げて完成です。
それだけ、環境にかける負荷が少ないんですね。

木は人の肌に馴染む。
人の肌が触れるところにはやっぱり気がいいですね。
お鍋の持ち手。鉄鎚の柄。素足で歩く床。手すり。・・・

それは、木の持つ適度な硬さと、熱を伝えにくいという性質。
さらに、木の表面にある無数の穴や凹凸が過度な密着感やべたつき感を防いでくれるからです。
サウナの椅子やベンチが気でできているのもそのためですね。

木の感触、木のぬくもり。
人類が最初に手にした武器は「石」だったと思いますが、
最初に手にした道具はおそらく「木」だったと思います。

木はえらい。
木は二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出す。
なおかつ、地表を守り土砂の流出を食い止め、雨水を根元に溜め、地下水とし、
小動物や鳥達の住みかとなり、さらには伐採後も家となり、家具となり、道具となる。
英雄的な大活躍だと思いませんか?
そんなえらい「木」を守らねばなりません。
だからといって、木を利用せずに放っておくのは「宝の持ち腐れ」。
「森」を守るためには、伐採と植林と育林をすべてセットで考えることが不可欠です。
伐採・植林・育林がセットになってはじめて「林業」になるので、
「林業」の産物としての木材を使うことが「森」を守ることに繋がります。
「乱伐」「盗伐」の産物には、くれぐれもご用心。

木は「反る・割れる・腐る」
木は反るからイヤ。
割れるからイヤ。
色あせるからイヤ。
腐るからイヤ。

ごもっともでございます。

万物の霊長たる人間だって「完璧」ではありません。
私にも、あなたにも、あなたの愛する人にも欠点がある。
大事なのは、それ以上に魅力的なところがあることを知っているかどうかです。
欠点以上の魅力を知っていれば、欠点は逆に光る個性になり得ます。

だから、木を好きになってほしいのです。